21日(土)午前に、井之頭病院第60回「市民講座」として、当院1号館9階の会議室にて講演会を行いました。
講師は、青木病院院長で、公益社団法人被害者支援都民センター理事長でいらっしゃる飛鳥井望先生にお願いいたしました。
飛鳥井先生は、PTSDに関しては日本の精神科医療界の第一人者です。
演題は「トラウマ体験や死別の悲嘆とどう向き合うか」というものでした。
悪天候ではありましたが、大勢の方にお集まりいただきました。
大きな事故や災害、暴力被害、性暴力被害などいくつもの原因で心的外傷が起こりえます。
また大切な方をなくしたあとの悲嘆反応などは誰もが経験するものです。
先生には、具体例を含めてとても丁寧にわかりやすくお話をしていただきました。
警察、マスコミだけでなく、周囲のかたが良かれと思ってかける言葉で「二次被害」を生じさせてしまうことがありますから、気をつけないといけません。
わたしたち一人一人がトラウマや悲嘆体験からの回復のプロセスについて知識を持っておくこと、最初は本人の気持ちにしっかり寄り添うことが重要です。
悲嘆のプロセスは、生きている限りずっと続くものであり、少しずつ回復していくもののようです。
孤立しない、孤立させないというようなスタンスが大事なんだと思います。
精神科病院もなかなか厳しい時代を迎えています。高齢者だけでなくさまざまな病態のかたが増えてきています。利用者のかたの悩みにしっかりと寄り添う医療、看護、支援を展開していく必要があると思っています。
当院は、これからもより安全な治療環境の提供に職員一同努力して参ります。地域のかたがたのさまざまな困りごとに相談に乗れる、頼りになる病院を目指していきたいと思っています。
今日もお会いするかた一人一人に笑顔で気持ちよく挨拶して一日を過ごしたいと思います。
< 平成29年10月23日 >
当日は、雨模様の中、たくさんの方に参加いただきありがとうございました。飛鳥井先生のご講演後の質疑応答も活発で参加された皆様にっとってこの講演会が有意義であったことが伺われるものでした。飛鳥井先生にも改めてお礼を申し上げます。